──(銀座松屋で行われた)吉田屋展のときに実演されたそうですが、見られても特に影響はなかったですか。

やっぱりすごく緊張しますね。全然うまく描けません(笑)。まあお客様はそこまではわからないと思いますけど、それを残そうとは思わないですね…。消しちゃいます。ちょっと無理でしたね。

──描いてるときは何を考えているんですか。

意外とあんまり何も考えてないですよ。

──つくるときに、例えば花瓶だったら花がささっているイメージを思い浮かべたりしますか。

あんまり考えないですね。でも、うつわのときはちょっとは。でもあんまりお客様はそれを望んでないみたいで。ただ、お茶のときは、菓子鉢にこういうお菓子をのせるんで、それに合うように絵付けを、とか、そういうのはあります。

── 一日何時間くらいお仕事されてるんですか。

時間があるときはずっと。時間があるときは常にここ(工房)にいるようにしています。でも出るときもあるので。西田さんのところに行ったり、桐箱屋さんに行ったり。細かい仕事なのでけっこう時間が大切な仕事ですね。展示会の前とかは、あ、今日一回も外出なかったとか、ふつうなので。
お休みはないです。作っていかないと、なかなか(作品が)たまらないので。

──お仕事のためにテニスを封印されたとお聞きしましたが。

僕、テニス部だったので、友だちと集まって、いっぺんテニスしたんですよ。
さあうちに帰って仕事しようと思ったらできなかったんで。やっぱりすごく震えてしまって。あ~、だめなんだと思って。
昔テニス部で、部活終わってから書道塾に行ってたんですけど、やっぱり細筆のときに震えてましたね。
でもそれ以外はそんなにないですよ。自分で腕枕とかはしないようにはしてますけど。

──これからの構想をお聞かせください。

あれもこれもあんまり無理をせず、ひとつひとつ丁寧な仕事で自分らしいものができればいいかなと。
自分が納得いく作品を楽しんでつくらないと、きっとお客様もわかるだろうし。それは大切にはしてますよね。いやいや描いてたら、きっとそういうのも作品から伝わりそうな気がしますよね。

──九谷焼はこれからどうなっていくと思われますか。

僕より若い方が増えてるので、おもしろいと思いますよ。

《好きな加賀の場所》

美術館(石川県九谷焼美術館)、綺麗ですよね。茶房とか。

山中温泉とかもいいですよね。鶴仙溪のところとか、綺麗で。川床で一度、僕のお茶の先生がお茶会をされてお点前をしたことがあります。
すっごい暑かった記憶が。汗がだらっだら出て…。

(2010年11月4日)


Copyrights (C) 2010 NPO法人さろんど九谷 加賀の九谷プロジェクト実行委員会,All Rights Reserved. mail